思考の整理学 外山滋比古 筑摩書房(1986) ☆☆☆☆
流行りの本。
もう30年も前に出版されたにもかかわらず、
(新聞社名は忘れてしまったけれど)最近の新聞に書評が
出ており、ついうっかりミーハー心で買ってしまった。
結論から言えば
「もっと早く読みたかったなあ。」と思うくらい十分
新しいものだった。
「頭の中のカクテルを作るには、自分自身がどれくらい独創的であるかは
さして問題ではない。持っている知識をいかなる組み合わせで、
どういう順序に並べるかが緊要時となるのである。」
知識があるだけでは単なる物知りである。と言い切り、
知識のストックの仕方、それらがどのように作品になりえたかを
丁寧に説明している。
「知のエディターシップ」を執るとはどういうことか。
単なる思いつきで生まれたものの時間の風化による
儚さにも言及しているこの著書だが、
30年の風化を経てもなお新しいとさえ感じられる。
その事実がよりいっそう言説を強めている気がするな。